真実の姿
〜An unpainted face〜





第3話、盗み聞き

まず、何から調べ上げたろか…………
そうや、あの会話の内容思い出すんや……
あそこに何かヒントが隠されとるやろ………………
確か…………

―あ〜、何やお前……まだばれてへんのか。

そや、こっから聞いてたんや。
こん時は平次の不倫やて思ってたんやけど…………

―お前な、誰の協力のお陰で今まで上手くやってこれたかと思ってんねん。

ホンマに最低や。
何が協力なんや!!
蘭ちゃんの事何やと思ってるん!!?

―なぁ工藤………いつまで姉ちゃんに隠しとくつもりなんや?
―……そろそろ和葉の電話終わるやろうから切るで。すぐそっち行くから待っとき。


ちょお待って…………

平次、あん時確かに「すぐそっち行く」って……………

っちゅう事は、まさか……………


あたしは、確信した。
平次は今日工藤君に会うつもりなんや。
すぐそっち行くからなんて言うとったっちゅう事は、
こっからそんな遠くない所に居るんやね、工藤君は!!!
絶対そうや!!!まさか、東京来るたび平次と工藤君密かに密会してたんと………
ほんで、二人で蘭ちゃんの会話とかで盛り上がっとったりして………
いや、ちゃう!!!まさか二人やのうて、工藤君の不倫相手と三人で!!?
………ゆ、許せへん!!!!
こうなったら、何があっても平次から目ぇ離さへんで!!!

あたしが燃えとんのを、蘭ちゃんが隣で困っとる顔で見てた。
蘭ちゃん、待っててぇな。
絶対、あたしが尻尾つかんだる!!!

「…そう言えば、平次とコナン君どこ行ったんや?」
「え?さっき二人で部屋から出てったよね?コナン君の部屋にでも行ったのかなぁ……」

蘭ちゃんも不思議そうに首を傾げとる。
あれ?いままでそんな気にしてなかったんやけど、
……何でコナン君て平次とそんなに仲いいん?
別に、兄弟気分で可愛がっとるなら分かるんやけど……
それにしても、ちょお仲良すぎとちゃう???
まさか……まさか……………

コナン君も平次と一緒に工藤君の協力してるん!!?
いや、コナン君は蘭ちゃんの事ホンマに大事にしてる筈や!!!
まさか平次と工藤君…………何も知らないコナン君の事利用して………………
尚更最低や!!!

「なぁ、蘭ちゃん……あたし、ちょお二人の様子見て来るわ。」
「えっ?ちょっと…和葉ちゃん??」

蘭ちゃんが驚いとる様子で後ろからついて来ようとした。
あかん……まだ蘭ちゃんは余計な事知っちゃだめや。
全部はっきりしてからあたしが蘭ちゃんに教えたるんやから。

「ええから、蘭ちゃんはちょお待っとって。」
「う………うん。」

蘭ちゃんは、不思議そうに首を傾げながら答えた。
あたしは平次とコナン君が出て行った戸を開けた。
確か……コナン君の部屋はこっちやったな…………
前に何度か来た時の事を思い出して進む。
そんで、部屋の前に来た時、部屋ん中からぼそぼそ話し声が聞えてきた。
声を潜めてるみたいな話し方や。
やっぱり、聞かれたら不味い話してるんやな。
あたしは、ドアの隙間に耳をくっつけた。
こんな事、蘭ちゃんが居ったら出来へんしな………
小っさい声やけど………耳澄ましたら聞こえん事はない。

『………せやから、和葉に聞かれてしもたんやて。』
『ばーろ!何でもっと気をつけねぇんだよ!!』

え?何やの………??
今の声、コナン君やろ???
何で平次にあんな喋り方してんの???

『けど和葉、まだ電話相手が誰かっちゅうところまでは気付いてへん筈や。』
『当たり前だ!!気付かれてたまるかよ!!!』

聞こえてくる会話…………
これやったら、まるでさっきの電話の相手は……………

『……せやから、何か聞かれたら適当に誤魔化しといてくれや。』
『……………今度は、んなヘマすんじゃねえぞ。』

聞こえてくるんは、呆れた声………
コナン君の声………やろ?
いつもと口調全然ちゃうやん………
そん時、突然さっきまで居った部屋の戸が開いた。
あたしは驚いて、そのドアから離れた。

「和葉ちゃん?どうしたの〜?」

蘭ちゃんが不思議そうな顔で近づいてくる。
あかんよ!!そんな声出したら…………
と、コナン君の部屋のドアががちゃりと開いた。

「和葉、お前…ここで何しとったんや!?」

平次が驚いた顔であたしの事じっと見つめた。
それから、コナン君も困った顔であたしの事見上げとる。

「和葉……姉ちゃん?」

そう呟いたコナン君は、どっか不安そうな顔であたしと蘭ちゃんを交互に見つめとった。
あたしは、まさか「盗み聞きしてたんや」とは言えんかった。
ただ、さっきの会話の内容が何を意味するんか全然分からんかったから………
混乱してしもて、言い訳も思いつかんかった。


〜第四話に続く〜


あとがきぃ〜〜vvvvvvv!!!

今回もやっぱ短いなぁ……
そんで、やっぱりまだ続くんかいっ!!
やっぱり長編突入決定やわ、この話(苦笑)(
あと1話で終わるんは無理やもん。
実は次の話もう出来てるんやけど、今日んとこはここで勘弁してぇな。
というか……あかん!!やのうて、やばいわ!!!
自然と関西口調になってしもてる!!しかも朧風の下手な横浜関西弁(笑)
く……クセ???(汗っっ)
こんなヤツですが、次回もよろしくお願いします!!(逃)