真実の姿
〜An unpainted face〜





第2話、気まずい空気

 数分後、あたしと平次は毛利探偵事務所に到着した。
玄関のチャイムを鳴らすと、蘭ちゃんの声と足音が聞こえてきた。

「は〜い!!」
「あ、蘭ちゃん?あたし。」

ガチャリと、ドアが開いた。
蘭ちゃんはあたしと平次ににこやかに挨拶して、
あたし達を部屋に入れた。

……ホンマにええ子やなぁ、蘭ちゃんは。
平次と工藤君がグルになって蘭ちゃんの事騙してるて知らへんで。
蘭ちゃんみたいないい子騙すなんて、平次も工藤君も絶対許せへん!!!

何も知らないで笑ろてる蘭ちゃん見てたら、怒りが増してきてしもた。
なんでこんなええ子騙せんの!?
そう思って、あたしはギッと平次を睨んだ。
平次は一瞬だけビクリと顔を引き攣らせた。
さっきから、やけにこっちを気にしとる。
まぁ当たり前やね………あんたそれだけやましい事しとったんやから。
部屋に案内されたあたしと平次やったけど、平次は全然落ちつかへん。
そわそわしとって、しきりにあたしの様子を窺っとる。
蘭ちゃんが、何かあたし達の様子がおかしいちゅう事に気付いたみたいで、
あたし達の事心配そうな顔で見とった。
そんなぎくしゃくした空気やったから、蘭ちゃんに気ぃ遣わしてしもた。
あたし達に気ぃ遣いながら、必死で笑顔で話し掛けて来とる蘭ちゃんが痛い。


もし……あの電話の事話したら、蘭ちゃんどんな顔するんやろ。
きっと…………ショック受けるんやろな。
蘭ちゃんの悲しんでる顔、見てるの辛いわ。
あたしが中々蘭ちゃんに話を切り出せないでいると、
平次が、コナン君を呼び出して、二人でこそこそ部屋から出てった。
コナン君に何言おうっちゅうんや?
平次………あんたがどう悪あがきしたかて、もう遅いんやで?
それに、蘭ちゃんと二人きりになったっちゅう事は
そんだけ蘭ちゃんに話す機会が増えたっちゅう事や。
覚悟しときや、平次!!!!

「和葉ちゃん、服部君と……何かあったの?」

あたしが平次とコナン君の後姿を睨んどったら、
突然蘭ちゃんが後ろから話し掛けてきた。
しかも、その内容は今一番気まずい事やった。

「あ、あんな…………蘭ちゃん……………」

言わなきゃて思って真剣に蘭ちゃんに話し掛けたんやけど……
蘭ちゃんはホンマに優しい顔して、これから相談に乗ろうとしとる姿勢やった。

「うん、何?」

首を軽く傾げてそう言った蘭ちゃん。

「ちょお、質問があるんやけど…………」
「うん、何でも言って。」

優しく微笑んでる蘭ちゃんを見ると、益々言うのが気まずくなって来てしもた。
 
「も、もし……もしもやで?もしも、工藤君が…………………」
「新一が?」

あ、あかん……………言えへん!!!
工藤君が不倫しとったらなんて…………そんな事蘭ちゃんに言えへん!!!

そん時、あたしの中で一つの答えが生まれた。
それはあたしが蘭ちゃんに言うのを先延ばししたいて
思う気持ちから生まれた答えなのかもしれへんけど……

そうや………まだ不倫やて決まったわけやないやん!!!
もしかしたら、あたしの見当違いかもしれへんし。
そ………そうや!!ちゃんと確かめてからでも遅くないやん!!

それに気付いたから、あたしは変に二人の関係ややこしい事にしないで済んで、
あたしが後でホンマに後悔しないで済む事になるんや。

「あ、何でもないんや。気にせんといて。」

あたしが笑いながらそう言うたら、蘭ちゃん不思議そうな顔しとった。

「え?でも……」
「ホンマに何でもないんや。
ちょお平次が待ち合わせに遅れた事でもめとっただけやから…」
「本当?何か相談あったら、いつでも言ってね。」

まだ何か不思議そうな顔しとるけど、何とか納得してくれたみたいや。
ホンマ、安心したで……。ここで突っ込まれたらどうしようかと思ったわ。
こうなったら、平次のさっきの電話の事徹底的に調べ上げなあかん!!!
あたしは、いつに無く燃えとった。

こん時は、まさか工藤君がホンマはコナン君やったなんて事、
思いつきもしなかったんや……
けど、もしこん時にこんなに燃えんかったら、あたしはずっと何も知らないままやった。


〜第三話に続く〜


あとがきっvvvvvvv!!!

今回、短いなぁ……
しかも、まだ続くんかいっっ!!!
えっと、微妙に長編突入するかなぁ?(CNRの基準で<笑)
だからつまり……六話まで行きそうです(苦笑)
まだ友情出てきてないしっ!!
ん〜……頑張ります!!!
そしてやっぱり最後の方もうつくっちゃってたりする朧です(笑)
今回もやっぱり関西弁難しいっっ!!!
こんなのですが、次回もよろしくお願いします!!